事件、では無いけれど。

今朝、出勤してすぐの事。


新しいボスに「職員室の前に震えが起こって倒れそうな学生がいるんだけど女の子なので○○先生(私)がたいおうしてあげてくれませんか」と呼ばれました。



急いで行って見ると、確かにまだ意識はあるものの、大きくがくがく震えながら今にも倒れそうな某女子学生。あきらかに、てんかんの初期症状です。


大丈夫?と声をかけ、体を触ろうとすると触らないでと言うので医務室に連れて行ったら、その瞬間・・・・倒れた。



救急車!と誰かが怒鳴り、まわりがばたばた騒がしくなり、私は意識を失っている時間を測ろうと時計を見るが、動転しているのか時間が分からない。ただ、針を眺めているだけの状態。


でも落ち着いてしっかり測る・・・と、まもなく彼女は眼を開けた・・・けれど、宙をさまよっている。



枕とタオルケットを、床までひっぱり、それを使って救急車が来るのを待ちました。ほどなく、通りが騒がしくなり隊員が入ってきて、台車つきの担架が来ました。抱えて載せて、職員室を離れられない担任のかわりに、私が付き添い病院まで。



彼女の眼が、正面を向かないので大丈夫かなと不安になる。まるで夢の中で眼を開けているお人形みたいな・・・意味わかんないけど、そんな感じ。




救急処置室で脈を測ったりなんたりして、少しづつ意識の戻る彼女をみて少し安心。夕べ、アルバイトで疲れたための発作みたい。




4月から就職するのに・・・・先方の職場は知らないと思う。学校から出す健康診断書も、てんかんなどまでは、自己申告が無い限り分からないから記入されていないし・・・。いや、書かなくても良いのだけど、だけど、だけど、私らの専門とする職場は健康管理が何よりも必要なのに・・・大丈夫かな。


ここには書けないけれど、家庭的にも複雑で色々な事を抱えている子で。可哀想だと思うけれど、多かれ少なかれ、不幸は皆が持っている。ストレスも多いだろうし、それが体質に良くない事も察しが付く。



以前、書かせたプロフィールには「趣味は寝ることとお金を稼ぐ事」。今考えれば、寝ること、は薬の副作用で寝ざるを得なかったのかも。お金を稼ぐ事、は彼女の家庭環境に起因すると思う。



歳の割にはしっかりしている。しっかり自分のまわりにバリアをはり、少しでも自分が不利な立場に立ちそうになったら、そんな風にした相手とは二度と眼も合わせない。私が、私が、私が、と言う子。


結局、CTも撮ってもらい、脳外科の先生にも診てもらい、とりあえず今日は帰れるようになったけれど、父親も母親も迎えに来ない。


まだ足元がふらついている彼女を電車に乗せるのは心配だったけれど、友達が居たので任せて私は職場に戻りました。



「母親には心配かけるから電話しないで」と彼女は言うのだけど「母親は黙ってられる方が余計に心配する」と私は言いました。その言葉さえもうるさく聞こえたようです。



彼女は来月、もう卒業。そうするともう会う事もないでしょう。


薬はちゃんと飲もうね。疲れは溜めないようにしようね、と最後に言いましたが、答えてくれませんでした。